保護者の皆様へ 2019.10月
 令和元年10月から、3歳以上児の無償化が始まりました。何度かお手紙でお知らせしましたとおり、給食の主食はこれまでどおりに持参し、副食費4500円は毎月園に直接お支払いいただくことになりますので、よろしくお願いいたします。
 また、該当するご家庭には事前にご説明させていただきましたが、大分県の「にこにこ保育支援事業(3歳未満の第3子の保育料無料)」の拡充が決まり、同じく10月より第2子からの保育料無料が決定しました。これにより、無償化制度と合わせると、保育園に通う子どもは3歳未満児第1子の課税世帯のみ保育料をご家庭に負担していただくことになります。園でもこれまで以上にいろいろな体験を積み上げて、すべての年齢の子どもたちの心と体を丁寧に育んでいきたいと思いますので、最新の幼児教育の考え方について少しお話しておきたいと思います。
 数年前から、テレビや書籍で「非認知能力」という言葉をよく耳にするようになりました。非認知能力とは、IQやテスト結果のような数値化できる能力ではなく、問題解決力、柔軟性、自制心、やりぬく力、社会性、共感性、心の回復力など、従来の学力とは異なる数値化できない人間力のことです。この非認知能力が注目されるようになったのは、シカゴ大学のジェームズ・ヘックマン教授の幼児教育研究でした。研究の結果、乳幼児期の早期教育で算数や読み書きなど学習面を強化しても、短期的にテスト結果が良いだけであり長期的に学力を高めることにはつながらないことが分かったのです。そして、子どもたちの「もっと知りたい。学びたい」という学習意欲や難しい問題にぶつかった時の粘り強さ、諦めない気持ちは、就学前にこの非認知能力を伸ばすことによって育てられていたのでした。
 そして、現在の日本の学校教育もこの考え方に沿って教育改革が進められており、小学校との合同の研修会等に出ていると、さまざまな困難に満ちたこれからの社会を生き抜く力を身につけるための教育を目指していることがよく分かります。これらを踏まえ、私たちの保育園でも就学前教育としての基礎=土台をしっかり整え、非認知能力を伸ばす幼児教育に力を入れていきたいと考えています。
【非認知能力を伸ばすためのポイント】
〇ルールづくり(世の中にはルールがあることを教え、守るようにする)
〇豊かな会話とコミュニケーション(表現する力と自信を養う)
〇思う存分、遊ばせる(遊びの中から問題解決能力を伸ばす)
 ごく当たり前のことかもしれませんが、こうした日常のなかでの生活や遊び、活動を通して、いつの間にか自然と学んでいくのが一番だと思います。出来る範囲で構いませんので、ご家庭でもご協力いただきますようよろしくお願いいたします。
≪参考文献 「非認知能力」の育て方 小学館 著者:ボーグ重子≫
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