平成25年10月園だより
 秋冷の心地よい季節となりました。子どもたちも散歩に別府公園まで出かけ、松ぼっくりやどんぐりを拾ってご満悦です。大人になったらいつのまにか、ただの木の実であり、触りたくない虫あり、へんてつもない石ころですが、子どもたちにとっては≪自分だけの特別な何か≫に変わってしまうようです。でもそういう、初めて見たもの・触ったもの・捕まえたもの・拾ったものに胸どきどき・瞳きらきらさせる≪こども心≫や≪知的好奇心の始まり≫も大切にしたいものです。
 さて、先月は、「となりのトトロ」の宮崎駿監督が引退表明をして話題となりましたね。インタビュー番組のなかで、宮崎監督が「世の中の大事なことはたいてい面倒くさい」と語った言葉は、仕事だけでなくさまざまなことに当てはまります。ノンフィクション作家の柳田邦男氏も先日の新聞コラムで論じていましたが、パソコン・スマホ・ケータイの普及により確かに便利にはなりましたが、利便性や簡便性だけが優先される社会では何か物足りなく寂しい気がします。人間の生活は便利で豊かになっても、心の豊かさはそれだけでは満たされないからでしょうか。宮崎監督のように、仕事でも時間と手間をかけてじっくりと取り組み、作品を生み出したいという思いがあるように、私たちの携わる福祉の仕事も、子どもたちや保護者の皆さん一人ひとりと向き合って、ゆっくりと確かな時間を過ごしたいと思うのです。
 子育てもそう。子どもが育ちあがる20年近くのあいだには、思うようにいかないこともあるかもしれませんし、思いがけない喜びをもらえることもあるかもしれません。「禍福はあざなえる縄の如し(幸・不幸はより合わせた縄のように交互にやってくるもの)」です。ひとつひとつの出来事がすべて子どもとの大切な思い出となるように、「大事なことだから手間も時間もかけて」何とか今の時期を乗り切りましょう。何かご相談事等があれば、事務室をのぞいてくださいね。一緒に悩んで考えていきたいと思います。
 改築工事が始まりもうじき1ヵ月が経ちますが、園舎横の駐車場が普段の送迎時に使えるようになり、ひと安心といったところです。警備員さんの誘導に従って、止めやすいほうをご利用ください。保護者の皆さんが協力してくださったり、警備員さんにも挨拶してくださる姿を見るにつけ、非常にありがたく思っております。今後ともご理解とご協力のほどを宜しくお願い申し上げます。

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